Tree of Cranes
(2010年12月15日)昔の日本が舞台の、クリスマスの物語。クリスマスを知らない男の子に、母親が見せたクリスマスツリーとは・・・
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表紙には、やっこだこを持った日本人らしい男の子の絵。
題名の一部である"Cranes(鶴)"は、日本人にはとても馴染みのある鳥。
「クリスマス」に関する絵本を借りにいった図書館で、
私が手に取った絵本のひとつが、この『Tree of Cranes』でした。
この絵本は、背表紙に目印となるキャンディーケーンのマークがついていなければ、
クリスマスと関連のある絵本とは全然気づきません。
この絵本は、クリスマスのことを知らない子どもがいるくらい昔の日本が舞台です。
アメリカのカリフォルニアに住んでいたので、クリスマスのことを知っていて、
日本の家でクリスマスツリーを作るお母さんと、その小さな息子のお話。
その息子が語るというスタイルで綴られています。
作者のアレン・セイ(Allen Say)は、1937年生まれ。
母親が日系アメリカ人二世で、父親が韓国人。
日本で生まれ育ちましたが、8歳のときに両親が離婚、父親に引き取られました。
まだティーンエイジャーのときに、漫画家野呂新平に弟子入りし、彼をとても慕っていました。
この絵本の最初のページには、"To Master Noro Shinpei"と書かれています。
アレン・セイは16歳のとき、再婚した父についてアメリカに行きました。
高校卒業後は日本に戻るつもりでいても、結局はアメリカにい続けることになりました。
軍に入隊したり、カメラマンとして働いたりと、アレン・セイが絵本作家になるまでには、かなりの年月を要したようです。
50歳を過ぎてから次々と絵本を発表し、1994年、『Grandfather's Journey』という絵本で、カルデコット賞を受賞しました。
ところで、アレン・セイが日本を離れたのは1953年あたりですから、
彼が描く日本の家屋というものも、道理でノスタルジックな絵になるわけです。
この『Tree of Cranes』の中で一番印象深いシーンは、
お母さんが作ったクリスマスツリーの美しさ、でしょう。
日本で生まれながら、日系アメリカ人のお母さんと8歳で別れ、
実の父親がいるにもかかわらず、野呂新平を心の父と慕っていたという事情を知ると、
この絵本に対する彼の思い入れのほどが、窺えるような気がします。
日本の古い家の様子や伝統文化を伝えるにも、良い絵本だと思います。
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