ロングセラー
Red is Best
著:Kathy Stinson
絵:Robin Baird Lewis
(当サイトインデックス:ロングセラー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
この絵本は、女の子が主人公ですが、主人公しか登場しません。
女の子の名前はKellyちゃん。著者Kathy Stinsonさんの娘さんです。
Kellyちゃんは赤が好き。
身につけるもの、ジュースを飲むときに使うコップ、お絵かきするときのインク、すべて赤でなければだめ、と言います。
この絵本の文章は、そんな彼女のセリフで成り立っています。例えばこんな感じです。
I like my red stockings the best.
(あたしは赤い靴下が一番好き。)
My mom says, "Wear these. your white stockings look good with that dress."
(ママは『こっちを履きなさい。白い靴下のほうがその服に似合うわよ』 って言うの。)
But I can jump higher in my red stockings.
(でも、赤い靴下のほうが高くジャンプできるんだもん。)
I like my red stockings the best.
(あたしは赤い靴下が一番好き。 ---以上にこる訳)
上の文章は、1ページに1行ずつ書かれています(つまり全部で4ページ分です)。
にこるの5才の娘はピンクが好き。
着る服はピンクばかりで、他の色の服は絶対に着ない時期がありました。
幼い子の、決まった色や物に対する頑固な執着というのは、普遍的なものなのでしょうね。
それをカッカせずにおおらかに受け入れ、こんな素敵な絵本のネタにしてしまったKellyちゃんのママは、たくましい。
ぜひ見習いたいものだと思いました。
My mom doesn't understand about red.
(ママは、赤のことがわかってないのよ。 ---にこる訳)
これが、絵本の一番最初に出てくる文章です。
こんな生意気?なことを言いながら、
I like red because red is best.
(あたしは赤が好き、だって赤が一番良いんだもん。 ---にこる訳)
と理屈にならない理屈の文章で、この絵本は終わります。
まるで、本当に小さな女の子と対話しているみたい。
この絵本は主人公が女の子ですが、女の子はもちろん、男の子にもきっと共感してもらえることでしょう。
もしあなたのお子さんが青が好きな男の子だったら、
Blue is Best
という題名にして、redを全部blueに変えて読んでみるのもおもしろいかもしれません。
英語には、女言葉と男言葉の区別がありませんから、そういう楽しみ方もアリですよね。
とにかく、Kellyちゃんはこの絵本の中で、
I like my red XXX the best.
(赤い XXX が一番好き)
と言い続けていますので、この絵本を繰り返し読めば、お子さまも
「~が一番好き」という英語表現が、すぐに身についてしまうのではないでしょうか。
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ふしみみさをさんの訳で、"Red is Best"を日本語に翻訳した本も出版されています。
→ 『あかがいちばん』
Brown Bear, Brown Bear. What Do You See?
著:Bill Martin Jr.
絵:Eric Carle
(当サイトインデックス:ことばの絵本、ロングセラー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
この絵本は、どのページも同じパターンが続きます。
そのパターンとは・・・
まず見開きページに大きく、動物が1体、描かれています。
(ページをめくると、別の動物の絵になります。)
左側のページには、その動物に対して「何を見てるの?」と質問。右側のページに、その動物が発した答えが書いてあります。
例えば、最初の見開きに描かれているのは、「茶色のくま」。
その左側のページに書かれた文章は、
Brown Bear, Brown Bear, What do you see?
(茶色のくまさん、茶色のくまさん、何を見てるの? ---にこる訳)
右側のページに書かれたくまさんの答えは、
I see a red bird looking at me.
(ぼくは赤い鳥を見てるんだ。 ---にこる訳)
次のページをめくると、そこに描かれているのは、先ほどのくまが言っていた「赤い鳥」。
そして、その赤い鳥に「何を見てるの?」という質問がなされ、赤い鳥は「黄色いあひる」と答えます。
その次のページに描かれているのは・・・ もうおわかりですね。
各ページの文章のパターンはまったく同じで、色と動物の名前が変化するだけです。
色の名前や動物の名前などは、英語を習いたての頃に教わる簡単な単語ばかり。
みなさまもおわかりでしょうから、文自体は難しくもなんともなく、実に楽に読めます。
そのせいでしょうか、娘の学校でも、この"Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?"の
パターンを応用した絵本を作って、教材にしたりしています。
今、我が家にはそういう絵本が2冊あります。
1冊は"Red Crab, Red Crab, What Do You See?"
もう1冊は"Zoo Keeper, Zoo Keeper, What Do You See?"という題名です。
"Red Crab"のほうは、海の生き物が出てきます。
"Zoo Keeper"のほうは、動物園の動物が登場します。
絵本はモノクロで、子どもたちが絵に色を塗ることができるようになっています。
塗り絵で遊ばせながら、色の名前や生き物の名前を同時に覚えさせるわけです。
ご家庭でもこのパターンを応用して、お子さまと英語の絵本を作って楽しまれるのもいいですね。
そうそう、"Brown Bear, Brown Bear What Do You See?"の絵本、最後の方で人間が出てきます。
その人間のドアップの顔がすごい迫力で、思わず「こわい」と感じるくらい。
にこるの娘など、このページを開くとキャーキャー騒ぎますよ。
ぜひご覧いただきたいですね。
amazon.co.jp(アマゾン)の詳細 → "Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?"
Corduroy
(当サイトインデックス:ロングセラー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
この絵本は初版が1968年ですから、もう40年間も読み継がれてきた名作です。
『くまのコールテンくん』というタイトルで日本語版も出版されていますから、内容をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
私は英語の絵本を読み聞かせるとき、娘が希望すれば即興で翻訳した日本語もページ毎に言ってやるんですが、今でもこのくまの名前は「コーデュロイ」と言っています。
おそらく小さな日本人の子にとって「コーデュロイ」という名前では呼びにくいので、日本語版を出すにあたって、翻訳者と出版社が「コールテン」という名前に決めたのでしょう。
ここでは、私もそれに合わせて「コールテン」と呼ぶことにしますね。
大きなデパートのおもちゃ売り場にいて、自分を買ってくれる人が現れるのを待っているくまのぬいぐるみ、それがコールテン君です。
コールテン君がとうとう、リサという女の子に気に入られて、彼女の家に引き取られるまでのお話です。
40年前のお話ですから、絵を見ても年代を感じるものはあります。
たとえばリサちゃんは、頭にスカーフを巻いています。
いまどきそんな子はみかけませんし、ベッドのマットレスに、ボタンのようなものがついているタイプも最近見かけません。
でも絵本を見る子どもたちにとって、違和感はないようです。
リサちゃんとお母さんの会話も、今の親子と変わりはありません。
リサちゃんとコールテン君が初めておもちゃ売り場で出会ったときの、親子の会話の場面を少しご紹介しましょう。
"Oh, Mommy!" she said. "Look! There's the very bear I've always wanted."
"Not today, dear." Her mother sighed. "I've spent too much already.
Besides, he doesn't look new. He's lost the button to one of his shoulder straps."
(「ママ、ちょっと!」 リサは言いました。「見て! あたし、こんなくまちゃんがほしかったの」
「リサ、今日はだめよ」 お母さんはため息をついて言いました。 「もうたくさんお買い物したもの。それに、そのくま古いんじゃない? 肩紐のボタンがひとつ取れてなくなっているわ」 --- にこる訳)
買い物に行くと、必ず「あれがほしい、これがほしい」と言い出す子ども、うんざりする母親・・・ まるでにこる親子そっくりで、非常に共感できる場面です(笑)
「ママ、見て!」は、子どもが母親の気を引こうとしてよく使うセリフのひとつだと思いますが、アメリカでも同じ。
"Mommy, look!" は子どもたちの頻出表現です。最近英語をしゃべり始めたうちの娘も、よくそう言ってます(もしかしたら、この "Corduroy" の絵本で自然に学んだのかも?)
あるいは順序を逆にして"Look, Mommy!" と言うのも、アリですよ。日本語でも「見て、ママ~」と言うでしょう。それと同じです。
あなたが父親なら、"Daddy, look!"(「パパ、見て!」)あるいは"Look, Daddy!"(「見て、パパ!」) ・・・となりますね。
一般的に、おもちゃが主人公のお話というのは、こんなパターンが多いですよね。
人間に見られている昼間はじっと動かないけれど、人間が寝ている夜は動き出す・・・。
『一本足の兵隊』もそうだし、ディズニーの『トイ・ストーリー』もそう。
リサに会ったときは動かなかったコールテン君も、「ボタンが取れている」と聞いて、
デパートが閉店になって人間がいなくなると、ボタンを探しにデパートを歩き回ります。
そして警備員のおじさんに見つかると、また動かなくなるのです。
でもこの絵本を読み進めていくと、最後にえっ? と驚く展開が待っていますよ。
そして同時に、ほわわ~んと胸があったかくなってくるのです。
本当に"Corduroy"は最高! ロングセラーなのも納得! です。
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If You Give a Mouse a Cookie
文:Laura Joffe Numeroff
絵:Felicia Bond (初刊年:1985年)
(当サイトインデックス:ロングセラー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
この本のタイトル『If you give a mouse a cookie』は、『ねずみにクッキーをあげたらどうなるか』という意味なんですけど、中を見てみると、
If you give a mouse a cookie,
he's going to ask for a glass of milk.
When you give him the milk,
he'll probably ask you for a straw.
(ねずみにクッキーをあげたら、
きっとミルクも欲しいと言うでしょう。
そのねずみにミルクをあげたら、
きっとストローも欲しいと言うでしょう。 ---にこる訳)
ねずみにクッキーをあげたら、ミルクもあげることになる → ねずみにミルクをあげたら、ストローもあげることになる → ねずみにストローをあげたら・・・
・・・というように、追いかけっこの文章が延々と続くのです。
ときどき「どうして、こうなるの?」と突っ込みたくなるような展開になったりもしますが、そこはまあ大目に見てください(笑)
実は私、この絵本のイラストが大好きなんです。
行動的で、自己主張の塊みたいなねずみ君の顔の表情が、とてもおもしろい。
この絵本に出てくるのは、ねずみ君と、ねずみ君にどんな要求をされても黙々と従う、非常に忍耐力のある男の子。この1匹と1人だけ。
ねずみ君とは対照的に、まるでねずみ君の召使いのような男の子の表情は、最初から最後まで淡々としています。
そのコントラストがまた、楽しいのです。
この絵本のお話の舞台は、男の子の家の中です。
ねずみ君は庭で男の子からクッキーをもらうのですが、ミルクが欲しいと言って台所に入り、次に洗面所に入り、なんだかんだいってベッドルームにも入り・・・と、どんどん家の中に進入していきます。
だからこの絵本を見ると、アメリカの一般家庭の家の中の様子がわかります。
台所にある調理器具や掃除道具など、アメリカ人が日常的に使っている物も描かれていて、楽しめますよ。
気になる英文ですが、基本的に1ページに1つの文だけです。
カンマで区切った部分で1ページになっているところもあります。
さきほど引用した英文でいうと、
If you give a mouse a cookie, ←これで1ページ。
he's going to ask for a glass of milk. ←これで1ページ。
when you give him the milk, ←これで1ページ。
he'll probably ask you for a straw. ←これで1ページ。
これなら、簡単に読めそうですね。
この絵本はシリーズになっています。"An If You Give...Book"というのが、このシリーズの名前のようです。
たとえば、"If You Give a Mouse a Cookie"の絵本ではねずみ君と男の子が登場人物ですが、シチュエーションが異なるけれど、同じねずみ君と男の子が出てくる絵本もあれば、登場人物ががらりと変わって、豚と女の子の組み合わせになっている絵本もあります。
豚と女の子のお話は、"If You Give A Pig A Party"(豚にパーティーをしてあげたらどうなるか)というタイトルで、これまたおしゃまな豚ちゃんが可愛いのです。
機会があれば、またこのメルマガでご紹介しますね。
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HAROLD and the PURPLE CRAYON

文・絵:Crockett Johnson(初刊年:1955年)
(当サイトインデックス:ロングセラー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
私が英語の絵本を選ぶときに頼りにしているのが、amazon.com(アマゾン)の読者によるレーティング(おすすめ度)です。
この"HAROLD and the PURPLE CRAYON"も、私はレーティングを見て購入を決めたのですが、びっくりしました。
実に100人以上の人が星5つの満点、「とても良い」と評価しているのです。初刊が1955年ですから、長い間支持されてきた絵本です。
中を開くと、茶色い線で描かれたHarold(ハロルド)という男の子と、彼が描く、紫色の線や絵だけの、実に質素な色彩。
でも、ハロルドが描いた絵がハロルドにとっては現実の物になっていくというストーリーのおもしろさに、すぐに引き込まれてしまいます。
ハロルドは、自分が描いた波線の中におぼれそうになったり、自分で描いたパイを食べきれず、残飯処理をする動物を描いて出したり・・・
おもしろい展開が、最後まで続きます。
この本の奇抜なストーリー展開には、子どもだけでなく大人もはまりますよ。
気になる英文ですが、1ページに1~2つの文章だけですので、テンポ良く読み進められます。
こんな感じです。
He didn't want to get lost in the woods. So he made a very small forest, with just one tree in it.
(ハロルドは森の中で迷子になりたくありませんでした。そこで、木がたった1本しかない小さな森を描きました。 ---にこる訳)
これが、1ページに書かれている文章。たった2文です。
その次のページの文章は、この1文だけです。
It turned out to be an apple tree.
(それはりんごの木でした。 ---にこる訳)
ね、これなら簡単に読めるでしょう?
この本には日本語版があります。邦題は『はろるどとむらさきのくれよん』という名前です。岸田衿子さんの訳で、文化出版局から出ています。 ↓
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